お金の秘密・打ち出の小槌物語3

200px-Bank_of_Japan_2010お金の秘密・打ち出の小槌物語3

・中央銀行って一体何?
世界最古の近代中央銀行は英国のイングランド銀行とされます。その創設当時、英国はフランスと戦争中でした。戦争には莫大なお金が必要です。資金に困った英国王は民間の私人逹が営む銀行で多額の融資を受けます。この際国債を発行したのです。国債ですから利子が付きます。利子は民衆の重税であがなわれます。国家に金を貸し利子を得た私有民間銀行はやがて英国通貨の発行を認可されます。それが世界初の近代中央銀行イングランド銀行です。中央銀行が統制して国家の通貨を発効する制度(中央銀行制度)の始まりです。以降現在でも英国ロンドンのシティが金融の中心地となります。
さて、一国の通貨を発行し金融経済をコントロールする中央銀行、世界中の中央銀行の99%以上が実のところ公共ではなく民間の私有銀行です。日本の日銀は政府が株式(正確には出資証券)の55%を保持することになっているので、政府の意向が色濃く反映されるのは確かです。しかし民間銀行であることには変わりません。世界基軸通貨とされているドルを発行している米国の中央銀行はFRB(連邦準備制度理事会)です。このFRBに至っては米国政府機関どころか米国政府はFRBの株を全く保持していません。100%私有銀行です。ユーロを発行しているECB(欧州中央銀行)は、無論どの国の公共機関でもないです。むしろEU各国は自国通貨発行を放棄しています。世界中の中央銀行が民間なのです。中央銀行が国家機関なのは欧米から「悪の枢軸国」と名指された北朝鮮、キューバ、イラン等ぐらいでしょうか。「悪の独裁国家」といわれたリビアは、数年前まで中央銀行が国家機関だったがクーデターで首脳が惨殺政権転覆され、すでに民間中央銀行になっています。「我に一国の通貨の発行権と管理権を与えよ。そうすれば、誰が法律を作ろうと、そんなことはどうでも良い。」かつてこううそぶいた男がいました。中央銀行が民間ということはその所有者逹が存在することを意味します。民間の私人です。私人が国家の通貨発行権を握り通貨を生みだし、コントロールすることができる、このことの意味は再考に値するでしょう。

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・世界の現状を透視していた大統領
基軸通貨たるドルを発行する米国。ドルはFRBが発行し続けていますが、昔かつて一度だけ米国で大量の政府通貨が発行されました。その紙幣はグリーンバックスと呼ばれ、発行者代表の大統領はあのアブラハム・リンカーン。しかしその後すぐにリンカーンは暗殺され、通貨発行は米国政府の手からもぎ離されます。また、その後、少量ですが政府通貨を発行した大統領がいます。彼はその半年後、白昼に衆人注視のもと射殺されます。あのケネディ大統領です(発行された政府通貨は回収された模様です。)。以来50年余、ドルの発行はFRBが握り続けています。
米国中心(日本も少し遅れて)に、1%対99%どころか、0,001%対999,9%とも評される猛烈な格差社会が進行しつつあります。かつて日本では「一億総中流」と呼ばれていたときがありました。この頃が最も豊かなときでしたがすでに遠い過去となってしまっています。かつて手厚かった米国の中間層はいまや完全に破壊されています。この現状を米国建国当時から杞憂していた大統領がいます。第3代大統領トーマス・ジェファーソンです。彼は指摘しました。「私有銀行がアメリカ合衆国の通貨の発行権を握ったならば、彼らはまずインフレを作り出し、それから一変してデフレにすることで、国民の財産を奪うだろう。ある朝、子供たちは目を覚ますと、自分たちの家やかつて父親たちが開拓してやっと手に入れた土地がなくなってしまったことを思い知るのだ」。米国では建国当初中央銀行の創設に非常な警戒がされていたのです。しかし、彼らの心配をよそに1913年ついに米国に中央銀行たるFRBが創設されます。大銀行の所有者たちによる100%私有銀行です。爾来100年余、トーマス・ジェファーソンの言葉通りに事態は米国、日本そして世界中で進行してしまったのです。なお繰り返しになりますが、どこにでもある民間銀行が悪だと言っているわけではありません。特に地域に密着し地域企業に融資してくれる銀行は大切です。米国においても大銀行と地域銀行が戦いを繰り広げてきた歴史があります。その銀行の理念と行動を慎重に見定めて選択することが大事なのです。